ツーバイフォー耐火構造4階建つくばモデル棟で、
東日本大震災における強震を観測
平成17(2005)年12月に建築研究所(茨城県つくば市)内に建設されたツーバイフォー耐火構造4階建つくばモデル棟は、平成23年東北地方太平洋沖地震により発生した震度6弱の揺れに遭遇しました。観測記録の分析の結果、6弱の揺れに対して、弾性的な挙動に留まっており、ツーバイフォー工法4階建建物は、構造体としての安全性と生活に必要となる機能にも、問題が生じないレベルの揺れであったことが確認されました。
パネル同士の緊密な結合で
高気密・高断熱を実現。
「エネルギアの家」は、構造用製材でつくられた枠組みに構造用合板を貼り付けたパネルで床・壁・天井を構成します。それぞれのパネルの接合面が明確なため、パネル同士を緊結しやすく、気密性を確保しやすい構造になっています。
さらにパネルの内側に断熱材を充填し、その上からプラスターボードを貼ることで、高い断熱性を実現しています。
●床・壁・天井の接合面が明確な「エネルギアの家」
●「エネルギアの家」の壁の構造
防火地域にも対応可能な防耐火性能。
ツーバイフォー工法の「エネルギアの家」は、大断面の木材を使うことで燃焼による強度低下を防ぐだけでなく、さらに燃え広がりを防止する構造。防耐火性においても優れた力を発揮します。
「木は火に強い」という事実。
木は燃えやすい性質をもっていますが、ある程度の太さや厚みのある(=断面が大きい)木材は、燃えても表面に炭化層をつくるだけで、火が内側まで進行しません。そのため強度が低下しにくいという性質をもっています。
一方で、右のグラフでもわかるように鉄は550℃を超えると急速に柔らかくなって変形し、その強度が大幅に低下します。
■ 温度に対する材質の変化率
※日本ツーバイフォー建築協会調べ
「ファイヤーストップ構造」で燃え広がりを防止。
火の通り道になる床や壁の内側で、枠組材などが「ファイヤーストップ材」になって空気の流れを遮断し、上階への火の燃え広がりを防止します。火災時に防火被覆(石こうボード)が万一突破されても、2重3重の防火機能をもつ「ファイヤーストップ構造」によって、ツーバイフォー住宅は初期消火の可能性が高く、火災時の被害を最小限に抑えます。
■ 温度に対する材質の変化率
石こうボードでさらに耐火性アップ。
ツーバイフォー住宅では、すべての天井や壁の内側全面に、厚さ12.5mm以上の石こうボードが貼られます。このため火災が発生しても、天井裏や壁の内部の温度が上昇しにくく、構造材が発火点(約450℃)に達するまでの時間を大きく遅らせることができます。
■間仕切壁の一時間耐火構造試験
試験炉内、加熱中
1時間加熱後、3時間放置
3時間放置後に解体、たて枠に一切、こげめ無し
「省令準耐火構造」のツーバイフォー住宅で火災保険料も軽減。
高い耐火性能を有しているツーバイフォー住宅は、火災保険料率にも反映されています。 火災保険料率の構造区分はM(マンション構造)、T(耐火構造)、H(非耐火)構造に分かれており、一般的な木造建築物は料率が最も高いH構造として扱われていますが、45分以上の耐火性能を有する「省令準耐火構造」のツーバイフォー住宅はT構造に扱われ、火災保険料が一般的な木造住宅に比べて大幅に軽減されます。